白泉社の人々PEOPLES

編集部には〝好き〟を追求した人たちが集まる

LaLa編集部高住 和音

新人作家と一緒に
成長する喜び

母が白泉社のまんがの大ファンで、実家の本棚には白泉社コミックスがズラッと並んでいました。その影響もあって私も白泉社のまんがが大好きで、とくにファンタジーものにハマっていました。面接時にはその思いを延々と語りつづけたのですが、むしろそれが良かったのか、採用してもらうことができました。
入社してからは『LaLa』編集部に配属となり、1年目の前半はひたすら記事ページを制作し、雑誌づくりの流れを学びました。とにかく一つ一つの仕事を覚えるのに必死でした。そして、1年目の冬頃から徐々に作家さんを担当させてもらうようになり、まんが作りに携わっていきました。
そもそも、少女まんが雑誌では新人作家さんと一緒に二人三脚でまんがを作っていくのが主流です。まだ雑誌で連載をしたことがない、読切を掲載するのも『LaLa』が初めてという方が多く、本当に一から描きたいものや面白いものを模索していくので、時には方向性を見失うこともあります。でもその分、作品が完成したときの達成感は大きく、一緒に成長しているという実感も得られます。
ちなみに、そうやって完成した作品は編集部で開催される選考会で審査され、そこで認められたものだけが雑誌に掲載されます。私が担当している新人作家さんの作品は2017年の『LaLa』10月号で初めて掲載されました。まさに二人三脚でつくりあげた作品だったので、掲載されたときの感動はすさまじかったです。今はデビューしたばかりの新人作家さんもたくさん担当しているので、まずはその人たちの作品が日の目をみるよう努めたいと思います。

高住 和音

最終回を担当する
責任と楽しさ

2年目からは先輩が担当していた連載を引き継ぐ形で天乃忍先生の『保健室の影山くん』を担当させてもらいました。この作品は先日無事に最終回を迎えられたのですが、私自身、初めて連載作品の終盤を担当させていただいたので、プレッシャーを感じながらも最終回までどうなっていくのか、ワクワクしながら仕事に取り組ませてもらいました。1話ごとにストーリーの“山”をつくりつつ、どうやって今までの伏線を回収していくかといったことを先生と何度も話し合い、その結果が作品に反映されていくのを間近で見られたのがうれしくて仕方なかったです。
仕事をする上では、作家さんが作品づくりに集中できるような環境や状態を整えることを心がけています。原稿作業に没頭すると時間を忘れてしまいがちなので、私たちがしっかりと体調やスケジュールを管理して、作家さんが納得いく作品を作れるよう、サポートしていかなければなりません。
作品の展開に納得できず、迷うこともありますが、編集部はフレンドリーな空気で、常にいろんな話題が飛び交っています。先輩方もみんな個性的で、それぞれまんがに限らず、趣味や好きなものへの探求心が旺盛です。おかげで、そういった会話のなかから作品のヒントを得られることもしばしばあります。このように白泉社には〝好き〟を追求している人たちが集まっています。学生の皆さんはまず自分なりの〝好き〟を追求し、それを第三者に面白く伝える努力をしてみてはどうでしょうか。

高住 和音

編集長からひとこと LaLa編集部 鈴木 浩介 LaLa編集部
鈴木 浩介

トレンドに敏感で、まんがはもちろん、アニメやアプリ、ゲームなどにも情熱を持っています。そういう〝熱〟がこれから編集者としての大きな強みになっていくでしょう。ただ、マジメすぎるせいか自分でいろいろと抱え込んでしまう傾向にあるので、困りごとがあれば気軽に相談してほしいですね。