白泉社2024年度定期採用情報

白泉社2024年度定期採用情報

王道アイドルまんが推し!王道アイドルまんが推し!

長谷川彩香

花とゆめ編集部 / 2020年入社

Theme 01

担当作家の持ち味を
“推す”まんが作り

多聞くん今どっち!?多聞くんキャラ表最初のラフカット

師走ゆき先生が『高嶺と花』の連載を終えたタイミングで担当を引き継いで、『多聞くん今どっち!?』を立ち上げました。実は1番初めに師走先生から出てきた案は紙袋を被った男の人と女の子のラブコメで、ずっと顔を出さず紙袋を被っている変人なんだけど行動はすごく紳士的という、ギャップのあるキャラを描きたいと仰っていたんです。ずっと紙袋を被っているとしたら、中身がすごくイケメンとか芸能人じゃないと読者さんは嬉しくないのでは?とお話ししていくうちに、紙袋を外して、ギャップのあるアイドルものにしようという方向になりました。

最初のネームでは主人公のうたげちゃんがちょっと薄い印象で、アイドルの顔を脱いでジメジメしている多聞くんに対しても健気に応援して、ずっと下で支えるみたいな女の子でした。でも師走先生の作品のいいところって、男女のカップリングが噛み合って相乗効果を上げて、お互いがその人じゃないとダメなんだと思わせる説得力。ヒーローに負けないくらい強いヒロインこそ、師走先生の持ち味なのではないかと思っていたんです。

多聞くん今どっち!?多聞くんキャラ表最初のラフカット

花ゆめ読者さんは強いヒロインが好きな傾向がありますし、ただ男の子の言うことを聞くだけの女の子だと人気が出ないのかなと。裏の顔の時は力関係が逆転するぐらいの強いヒロインにしませんかと先生に提案したところ、快く受け入れてくださって今の形になりました。だから、個人的にはうたげちゃんが褒められると嬉しいですね。

私自身も女性アイドルも男性アイドルも好きで、小学生のときから好きなものを聞かれたら、「アイドルと少女まんが」の2つを答えてきました。でも意外とアイドルものの少女まんがはそんなに好きじゃなかった。アイドルもファンも「プロ意識があるのか」みたいな、ちょっと複雑な気持ちになってしまう(笑)。自分がアイドルものの担当をするとしたら、「うたげちゃんだったら応援できる」と思われるヒロインになってほしいという気持ちがあったので、初期は特にそこに注意して作っていましたね。

Theme 02

“推しを推す経験”が
リアルな企画を生む

多聞くん今どっち!?公式Twitterアカウント

ふろくや懸賞グッズは予算や材質的につけられるものが決まっているので、高くていいものを作ることが難しい。だからこそ、決められた予算の中で記事の見出しにしたくなるようなキャッチコピーをつけよう、「公式どうした!?」って思われるようなものを考えようと意識しながらアイディアを出しています。

『多聞くん今どっち!?』のコミックス3巻につけた握手会動画では、学生時代にアイドルの握手会に通い詰めていた私の経験が活かされています。シナリオライターも担当したのですが、編集者ってこんなこともやるんだ…って思いながらも、作品の世界に入ったようですごく面白かった。Twitterで「握手会レポを投稿してほしい」と発信したところ大反響。「何かいい匂いがした」とか、皆さんすごく想像力が豊かで!(笑) そういう広がりを見ることができて嬉しかったです。

多聞くん今どっち!?公式Twitterアカウント

あとは、作品の世界にどっぷり浸かれるように工夫をしています。まず、作中に出てきたうたげちゃんのSNSアカウントが実際にあったら面白いなと思って作り、それに呼応する形で後からF/ACEのマネージャーが運営しているという体の公式アカウントも作りました。

芸能人のTwitterはスタッフと本人がつぶやいて文末に署名が入っていたりするので、それを『多聞くん~』でやっても面白いかなと。
うたげちゃんは絶対に多聞くんの裏の顔を匂わせる投稿はしないだろうとか、1ファンとしてすごく応援しているだろうというのは原作に忠実に。でも、3次元ともリンクさせたくて。多聞くんのほっぺを触れるうちわや、多聞くんとハイタッチができるポスターを作ったときに、うたげちゃんのアカウントで喜びをつぶやくと、ファンの皆さんがそれについてきてくれるんです。

Theme 03

「好き」を仕事にするのは
楽しい!

花とゆめ

『多聞くん今どっち!?』は「次にくるマンガ大賞」11位。白泉社の中では過去最高、少女まんがで唯一のランクインとなりましたが、来年はさらにその上に行きたい。将来的には少女まんがの枠を超えたいなと思っています。そして、私自身もできるだけ長く「花とゆめ」で新しい作品を作りたい。大好きなまんが雑誌がどんどん減っているのがすごく悲しいので、今後10年、100年続くような媒体になるために、私にできることを少しずつやりたいと思っています。

自分が学生のとき、「好きなことは仕事にしないほうがいい」「趣味と仕事は分けたほうがいい」と色々な人から言われました。でもその人たちは好きなことを仕事にしているわけじゃないから、何でわかるんだろうと思っていて。自分は何か「好き」を仕事にしたいなと思ってこの業界を志望しました。

花とゆめ

実際に「好き」を仕事にしてみると、すごく楽しい。大人になると仕事の時間が人生の大部分を占める中で、仕事が楽しいというのは本当に幸せで幸運なことだなと思います。プライベートで得られる喜び以上のものを仕事で得られる。楽しいことで結果が出ると、めちゃくちゃ嬉しいものです。

そして何より、好きな作家さんのまんがが世界最速で読める! 入社前から好きだった師走先生が描く最新のお話が、世界で誰よりも早く読めるんです。ネームや原稿のメールが来た瞬間、好きなことを仕事にしていてよかったって思いますね。もしまんがが好きだけど、どうしようかなと悩んでいる方がいるとしたら、ぜひ挑戦してもらいたいなと思います。

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