白泉社2024年度定期採用情報

白泉社2024年度定期採用情報

チームワークで絵本推し!チームワークで絵本推し!

MOE編集&
販売チーム

MOE編集&
販売チーム

Theme 01

本を作る前段階から
編集×販売のチーム始動

かみはこんなにくちゃくちゃだけどあつかったらぬげばいい

徳重:MOE編集部には雑誌と書籍の2つの部署があって、私はたまに雑誌「MOE」の特集や記事を担当したりしつつ、書籍部門の編集長として書籍の統括をしています。以前は花とゆめ編集部でまんがの編集をしていました。

ビジュアル誌兼情報誌の側面がある「MOE」の編集は、作家さんとマンツ―で作品を作るまんが編集とは全く違います。特集の企画やラフは考えるけど、記事内の文章はライターさん、カメラマンさんやスタイリストさんとは撮影を…という感じで、それをディレクションしていくのが編集者の大まかな仕事。絵本を作るのは、まんが家さんとのやり取りに近いです。何を描いてもらいたいというテーマの提案からラフを出してもらって、それを改善していく流れはまんがと同じです。

かみはこんなにくちゃくちゃだけどあつかったらぬげばいい

守岡:絵本をどのくらいの部数で作って、どういうふうに売るのかを考えるのが、販売部としての僕の仕事です。例えばヨシタケシンスケさんの『かみはこんなにくちゃくちゃだけど』が発売された際は、姉妹本の『あつかったらぬげばいい』と一緒にフェアを行いました。

うちから出しているヨシタケさんの書籍を含めて購入したらヨシタケシンスケさんのイラストのシールがもらえる特典つきで、書店での展開もしやすいように販促物セットも工夫し、既刊の切り抜きPOPもつけ直し、姉妹本として2つペアで並べる形にしました。通常時よりも多く既刊も動いたので、“どうやって売るか”を考えた結果の成功体験だと思っています。

編集部とは絵本を作る前の段階から、いろんな連絡を取り合っています。一番わかりやすい例だと市場調査でしょうか?

酒井駒子 ポストカードブック 24POSTCARDS

徳重:例えば絵本を出すのが初めての作家さんだと、既刊があるシリーズものと違ってどれくらい売れたかのデータが全くない。そういう場合、類書を調べます。「価格帯これくらいで何部出てるの? 似たような感じのもので」と守岡君に調べてもらうと、目安の部数が見えてくるんですよね。

そうすると本のサイズや紙など、原価計算の目安ができる。これをしないと会議に通せないので、本を作る前の段階で雑談交じりに色々聞きます。書店さんとの肌感覚は守岡君のほうがわかっているし、店頭展開の話も含めてニュアンスを聞いて、出せるとしたらこんな感じだねと。本を出すまでの段階でそういう話をしていますね。実際出すとなったら、テーマによっては専門書店に配本してもらったり、展覧会の会場に卸してもらったり。

守岡:どういう販促物を作って書店さんで販促しようとかも、宣伝部も交えて、作っている過程で話し合いますよね。

酒井駒子 ポストカードブック 24POSTCARDS

徳重:酒井駒子 ポストカードブック 24POSTCARDS』(作/酒井駒子)を作った時は、結構ドタバタで。1枚ずつはがせる仕組みになっているから、本屋さんでパラパラ見ていたらポロって落ちちゃうと困ると言われて、急にシュリンク(フィルム包装)しなきゃいけなくなって。でもこういう商品は中の絵が見れないと買ってくれない。じゃあどうやって見せるのか。販促用のPOPで、わかるもの作らなきゃいけないねって。

守岡:飾れるというのをウリにしていたポストカードブックだったから、大きい数を仕入れてくれる書店さんには、小さい額を買ってきて、そこに入れた現物を送って。「飾っちゃってください!ってやっていいですか」みたいなことを編集部に相談して、一緒に作ったりもしましたね。

Theme 02

お互いの共通のゴールを
見据えて
動き始める

徳重:部数が出せないと言われても、編集部としては足りない点を補ってでも出したい時もある。そこをどう突破するか。思ったより売れたらそれは販売部の手柄だなと思うし、売れないですね~で話が終わらないようにしていきたい。

守岡:会社として1年の刊行点数を増やしたいというのがあるから、販売部としても勝算がないから出すのやめようとはなるべく言いたくない。1つでも数字じゃない強みとか、編集部が出したい理由みたいな納得感が出ていればもちろん協力したい。数字だけにとらわれずにやっていこうという気持ちは常にあります。

その作家さんを好きな書店さんの話を事前に聞いていたりもするので、「お好きって聞いたのでどうですか、置いていただけませんか」みたいな交渉をすることもあります。10部でも取ってくれればそれだけ売れるきっかけにはなると思うので、駄目もとでもきっかけを作れればいいなっていうのはありますね。

徳重:定点で急にこの書店だけ異常に売れたっていうのが、徐々に全国に波及していくみたいなサクセスストーリーって本当にたまにあるけど、その“たまに”になれたらすごくラッキー。編集部としてもサイン本を作るとか手書きのPOPを書いてもらうなどの協力は惜しまないし、販売部にも販路を新しく開拓してもらう。そういう協力体制が以前よりも強くなってきているな、というのが最近思うところです。

会議でバチバチやればいいという考えもあるけど、やっぱりコミュニケーションを取って販売部と連携することは本当に大事なんだなと感じています。まんがと違って絵本は1冊1冊で全部サイズや紙が違うし、会議に出す前から関わる各部署とコンセンサスを取っておく必要があります。

守岡:事前にお互いの共通のゴールを見据えて動き始めるのが大事ですよね。編集部は作って終わり、販売部は部数を決めて出して終わりじゃなくて、どんなふうに売っていくかっていうところまでを、作る前の段階から見据えて全部やっていければ、自ずと売れる可能性は広がっていくのかなと思います。

『かみくちゃ』だったら既刊を売っていくというのをゴールにしましたし、徳重さんが作っている『ニンジンジン』(作/キューライス)は文自体が七五調でテンポがいいから、書店でも何か音として聞いてもらったほうがいいという共通認識があったので、編集部と宣伝部で協力して宣伝用の動画を作ってくれることになりました。

徳重:YouTube、SNSで、できれば音声付きの動画を出したいねと。語呂がいい言葉って子どもがついつい口にしたくなると思うから、それで親御さんが買わなきゃいけなくなっちゃう!みたいになってくれないかなって(笑)

守岡:作家さんファンの書店員の方にも、動画を流してもらうように事前に伝えておいたり、希望する書店さんにはDVDを送付して店頭で流してもらう展開をしたり、書店によってはフェアも検討しています。最初から徳重さんが動画を作りたいと言ってくれたので、先回りして色んな施策を打てました。

Theme 03

「好き」を広げて、
それでまた会社に貢献できる

MOE

徳重:日本の雑誌の中でも、「MOE」はトップクラスの売上率です。おそらく今出ている雑誌の中でも3本の指に入るのでは。その理由には販売部が出す適正部数や色んな理由があると思います。私はその理由の1つでもある「MOE」のブランドをちゃんと生かしながら、「MOE」のレーベルじゃないと出せない絵本でヒット作を出したい。

MOE

守岡:「MOE」をけん引するヨシタケシンスケさんの本や「kodomoe」の『ノラネコぐんだん』シリーズって、作家さんはもちろんですけど、編集や販売や宣伝や色んな部署が、頑張って頑張って盛り上げて、ここまでのブランドになったと思う。また皆で頑張って、そういう新たなヒットタイトルを1つでも多く出していきたいですね。

実は僕、もともと絵本にはそれほど興味がなかったんです。まんがや小説が好きで出版業界に入りたくて、そのどちらかをやっている出版社を手当たり次第受けた感じで。配属されてすぐに『ゆめぎんこう』(作/コンドウアキ)を読んだら、めちゃくちゃ面白い。それで他社も含めて色んな絵本を読みだしたら、絵本自体が「好き」に変わっていって。

そんなふうに自分の興味の幅が広がる。それだけではただの自己満足で終わっちゃうけど、白泉社の場合、好きなものを仕事に活かせる。アイドル好きな人がアイドルまんが作るみたいなことを実際にやっているので(笑) 「好き」を広げて、それでまた会社に貢献できるというのは、なかなか他の会社ではできないことなんじゃないかなと思っています。

ゆめぎんこう

徳重:確かに。私は猫が大好きなんですけど、それでまさに今、猫の絵本を手掛けようと考えています。10年以上ずっと日参している猫ブログに載っていた保護猫活動の告知で、可愛いな上手いなと思ったイラストレーターさんがいて。インスタをフォローしてみたら展覧会とかでグッズも展開していて、見ているうちに私やっぱり猫の絵本を作ろうと。そのイラストレーターさんに連絡をとって、何かできたらなって企画進行中です。猫好きな編集者が猫写真家さんの本を出した前例もあるから、きっと企画も通るはずと信じています(笑)

ゆめぎんこう
いつか仕事にしてみたい!個人的な”リアル”推し
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