「変なアイデア」を「おもしろいコンテンツ」に。

1973年に誕生した白泉社。創業から今日に至るまで一貫して、文章と絵を融合した雑誌、書籍、コミックス、文庫、絵本などを作り続けています。そのすべての領域を支えているのは、鋭い感性と洞察力を持った社員たちです。白泉社の「おもしろさ」とは何か。代表取締役社長の菅原弘文が、自身の経験談と時代の変化を踏まえた上で語ります。

鋭く尖ったコンテンツを作り続けよう。

白泉社が得意としてきたのは、『花とゆめ』や『LaLa』といった雑誌で手がけている少女まんがですが、その特徴は王道の学園ラブはもちろん、多様なジャンルや斬新なストーリーを有する作品が多いことでしょうか。王道ではない場所でも尖ったコンテンツを作り続ける。言い換えれば、「心を動かすおもしろさ」を作り、届けるということ。これは白泉社の経営方針でもあります。

おもしろさとは何か。それは、「新しいこと」と「深いこと」です。子どもは毎日が新しいこととの出会いなので、1日が長くおもしろく感じます。大人も新しい情報やプロダクトに心が躍りますよね。その一方で、森羅万象の仕組みや人の心を知ることにも喜びを感じます。つまり、深いものを知るということです。新しさと深さを追求することで、私たちは「おもしろい」作品を国内外に届けることを目指しています。

新しい読者を、獲得するために。

現状、まんがを手がける出版社は増え続けており、まんがは細分化されています。30年前は宣伝せずとも本が勝手に売れていきました。毎月何日に発売されるということがわかっているだけで、読者が書店に集まってくれるという時代でした。今は豊富なデジタルデバイスやアプリケーション、様々な余暇の過ごし方があるなかで、白泉社の新しい読者を獲得するためには、編集者のみならず、様々なセクションの関わりが必要不可欠です。

たとえば、販売部は効果的な販促ツールをつくり、書店に作品の魅力を伝える。宣伝部は最適な宣伝媒体を見極める。総務部や経理部は社員のモチベーションを上げるための仕組みをつくる。白泉社は組織が大きいわけではないので、社員一人ひとりが自由に立ち回れます。それ故に、どの部署でも自分の仕事の反響がダイレクトに伝わりやすい。だからこそ、入社1年目から活躍できる可能性も大きいんです。

新入社員になった皆さんは研修が終わったら、すぐに実践の場に出ていきます。いち早く実績をつくって、仕事のおもしろさを見出してください。

白泉社で「変なアイデア」をカタチに。

誰もやっていないことをカタチにして、そのジャンルで1番になりましょう。「変なアイデア」を実現したいという方は、ぜひ白泉社のドアをノックしてください。

人の心を動かすまんがを作りたいという熱意はもちろん、まんがをデジタルコンテンツとして捉えたアイデアなども大歓迎です。白泉社にまんが好きは必要ですが、柔軟な想像力や発想力も求めています。今やまんがは紙媒体だけではありません。つねに新しい技術が生まれるデジタルの世界で戦っていくために、技術に対して鋭敏な洞察力を持った人材との出会いも楽しみにしています。

もしも私が今の時代の就活生ならば、公立鳥取環境大学のヤギ部を題材にしたまんがを企画してみたいですね。自分がおもしろいと思うことがまんがになって、それを読者が喜んでくれたら、ものすごく嬉しい。これは私の編集者時代のしくじり話ですが、絶対人気になると思って、過去にLGBTのミイラが登場するまんがやゴルフ作品を少女まんが誌で掲載したことがあります。どちらもシリーズ化には至らなかったのですが(苦笑)、それほどにニッチなものでもコンテンツにするという気概を持ってほしい。白泉社ならば、あなたが考える変なことを、きっとカタチにできますから。

私は編集者としてのキャリアを積み重ねていくうちに、ディープな世界観のコメディ作品を手がけたいと思うようになりました。その想いを結実させた作品が、佐々木倫子先生の「動物のお医者さん」です。
私が佐々木さんに獣医が主人公で、様々な人と動物が出入りする動物病院の設定を提案すると、大学の獣医学部を舞台にした物語が返ってきて、晴れて連載が始まりました。
最初は物語のメインキャラクターにチンパンジーを推したんです。そうしたら先生からシベリアンハスキーの絵が送られて来て、そのインパクトで即座に決まりました。この作品が話題になることで、ハスキー犬が人気になったり、全国の様々な大学で獣医学部の入試倍率が上がる現象を引き起こしたりしました。
まんがは感動を与えられるだけでも素晴らしいコンテンツですが、私のエピソードが物語るように、世の中にも影響を与えることもできます。王道ではない場所でそれを実現できたときの達成感はものすごいですよ。
白泉社のおもしろさ、ぜひ体感していただきたいです。