先輩社員に聞くリアルな現場の「おもしろさ」

編集者として、ママとして。
作家の節目を、心から喜ぶ。

2009年に入社して、最初は『花とゆめ』編集部に3年、その後は『MELODY』編集部に5年、2017年に『花とゆめ』編集部に戻ってきました。その翌年から産休・育休に入って1年休み、2019年4月から復帰しています。

私がいま担当しているのは「墜落JKと廃人教師」と「恋に無駄口」と「高嶺と花」という3本のレギュラー作品が中心です。まんが編集者は、世の中に作品を出すことがメインの仕事。『花とゆめ』はここでデビューした作家さんが掲載されていくので、その意味では新人発掘がもっとも大事な仕事かもしれません。私たち編集者は作家さんたちが連載できるように何かアシストしたり、まだデビューしていない作家さんを新人賞や「マンガラボ!」から見つけてきたりと、次期ヒット作を出せる作家さんを育てていきたいと意気込んでいます。

私にとって、この仕事のおもしろさは、作家さんの夢が叶う瞬間を一緒に心から喜べることですね。作家さんには、デビューできた、連載になった、メディア化が決まった、などの節目がありますが、そのすべてがお祭り騒ぎ。そのひとつ一つのイベントを一緒に盛り上げていきたい。編集者が作品について伝えられることは限られていますが、いつか訪れるその時のために、日頃から作品の尊敬すべき点を素直な言葉として伝えられるように心がけています。すべての作家さんが頑張り屋なので、皆さんの努力が実って、夢が叶った瞬間に立ち会えるのはすごく嬉しいことだなぁと。

夫と最新家電、作家と編集部の存在があってこそ。

私はまんが編集者と一児の母を両立していますが、実はママさん編集者って『花とゆめ』編集部で歴代3人目なんです。今は編集部11人の中にママさん編集者が2人います。私は2014年に結婚して、2018年に妊娠しました。仕事が好きだから戻りたいという気持ちはあったけど、そもそも私は仕事をやりつつ家族を大事にできるような環境に憧れていました。だから、それが自分にとって夢が叶っている瞬間なんだろうなと思っていたんです。

家事は夫と分担しています。子どもを保育園に送っていくのは私、迎えにいくのは夫ですが、基本的には夫婦どちらかが気付いたことをやるスタイルです。仕事と両立するために、最新家電の存在はありがたいですよ。我が家にはお掃除ロボットも食洗機もディスポーザーもありますし、一番は水なし自動調理鍋をオススメしたい!(笑) 食材と調味料を入れるだけで簡単に料理できますから。

もっとも大きいのは、作家さんと職場のみんなの理解ですね。私が担当している作家さんたちは、スケジュールの調整をしてくださりますし、編集部内でも仕事の割り振りを整えてもらっています。 夫との連携プレーもあって校了の時も無事に終わるまで職場に残ることができていますが、私の担当分をみんなが早めにチェックしてくれるなど、編集部の手厚い協力を感じています。

みんなと違うルートから、企画づくりと働き方改革を。

『花とゆめ』編集部には7人の女性編集者がいて、新たに入ってくるのも女性が多くなっていますね。白泉社として、今まではママさん編集者のサンプルになる人が圧倒的に少なかったので、私たちの世代で改善して、女性編集者がもっと仕事しやすい環境にできるといいなと思っています。

まんがは作家さんありき。編集者からネタを提案することもあるけど、その世界観をつくるのは作家さんです。作家さんから生まれたものを編集者がより良くしていきます。以前、『MELODY』編集部に在籍していた時に、アイドルアプリゲームのまんが化を担当したことがあって。それはゲーム会社のプロデューサーがつくった企画書とキャラ設定を基に、いろいろなクリエイターが関わって肉付けしていく、というつくり方だったんですね。そのアプローチがすごくおもしろいと思いました。まんがは真逆で、作家さんの企画をプロデュースしていくけれども、編集者として企画から手がけていくつくり方ができたらいいですね。私はそもそも自分が何かになりたいのではなくて、ガチのアイドル好きという趣味もあってプロデューサーへの憧れが強いんです。

『花とゆめ』は中高生向けの作品がメインだけど、個人的には小学校高学年に訴えかけるような作品をつくってみたい。というのも、私がその年代にまんがの影響を受けて、人生を決定づけられたから。敷かれたレールの中で一番を目指すやり方もあるけれど、みんなと違うルートから攻めてみたい。白泉社はそれができる会社だと思います。

私の仕事は作家さんの夢を叶える瞬間がいちばんおもしろい。