100万部突破をめざし  作品の力をフルに引き出す 「ノラネコぐんだん」シリーズ

絵本のキャラなのに悪巧み!? 子どもだけでなく大人の書店員をもトリコにする「ノラネコぐんだん」。
2012年のシリーズ第1弾の発売から、累計100万部達成も目前!
社員の想いがひとつにまとまった瞬間とは?快進撃のヒミツとその愛される理由に迫る。

  • 森 綾子

    kodomoe編集部 編集長 森 綾子

    1997年入社。書籍編集部から2003年にMOE編集部へ。2013年よりkodomoe編集長。雑誌編集のかたわら絵本出版も!特技はデザインでノラネコぐんだんグッズの多くを自らデザイン。

  • 永井 康子

    販売2課 課長 永井 康子

    1996年入社。CANDy、シルキーなどの編集部を経て、2014年より販売2課に在籍。面白くて変なことを考えるのが好き。趣味は書店さんを巻き込んで変わったイベントをやること。

  • 川又 弘之

    宣伝課 課長 川又 弘之

    1997年に入社。ヤングアニマル編集部に配属。2013年宣伝課へ異動して、2016年から現職。サッカー観戦が好きで社内で「Jリーグの会」を結成。絵本業界の人とフットサルに興じることも。

  • 宮尾 陽

    コンテンツビジネス1課 宮尾 陽

    2017年に中途入社。白泉社入社前は、オンライン書店に勤務。食べるのが大好き。蕎麦屋に入ればカツ丼、ラーメン屋なら炒飯を迷わず注文。ダイエットすることをライフワークにしている。

プロジェクト・ヒストリー

ノラネコぐんだん

「ノラネコぐんだんシリーズ」って?

悪巧みばかりする8匹のノラネコが主人公の工藤ノリコ先生の絵本シリーズ。2012年11月にシリーズ第1弾が登場し、現在までに6冊の絵本とビッグブック、「ノラネコぐんだん かるた」や数々のグッズなどが発売中。書店とコラボしたカフェ「NORANEKO COFFEE」など絵本の枠を超えた展開で子どもから大人まで夢中にさせている。シリーズ初のよみもの「ノラネコぐんだんと海の果ての怪物」が4月26日に発売予定。

ノラネコぐんだんが結ぶ縁

プロジェクトストーリーっていうお題なんですが、私たちはプロジェクトっていうほど改まった関係じゃないですよね。
永井
森さんと工藤ノリコ先生のお人柄もあってか、より自然発生的なチームだよね。
川又
宣伝の立場で、編集の森さんと販売の永井さんとは毎日話をしているし、コンテンツビジネスの宮尾くんとはそこまで頻繁ではないけど、編集を中心としていろんな部署が自然と連携していますね。
みんな、自然とノラネコぐんだんに協力してくれるんですよ(笑)。
永井
そこがノラネコぐんだんの力。私たちも書店さんも、みんなノラネコが好きで、どんどん協力者が現れる。

白泉社

宮尾
ノラネコぐんだんは、もともと「こどもMOE」のふろくの絵本がスタートですよね。
2012年5月に発売された「kodomoe」の前身の、MOE増刊「こどもMOE」第2号のふろく絵本「ノラネコぐんだん パンこうじょう」が最初ですね。でも、実はその前にキャラクターはすでにできていて、私が書籍編集部にいるときに工藤先生の「がんばれ!ワンワンちゃん」っていう4コマまんがの本を出して。仕事に真面目に取り組む犬のワンワンちゃんが主人公なんだけど、そこに悪さをする脇役として登場していたのがノラネコぐんだん。それが面白くて「こどもMOE」を始めるときに、ノラネコぐんだんを主人公に絵本を作りませんか、と工藤先生に提案したのがきっかけでした。
永井
ノラネコたちは毎回、悪さをして困らせるんだけど、憎めない(笑)。書店員さんも、そのへんが他の絵本と違っているから「なにコレ!」って思って応援してくれているのかな。
元々がまんがから出たキャラクターだから、キャラが立っていて、絵本でも物語やオチがちゃんとあって面白い、と言って頂くことも多いんですよね。だからこそ、大人にも楽しんでもらえているのかも。

書店員さんに愛されて

書店員さんたちから投票で選ばれる『MOE絵本屋さん大賞』や、書店さん主催の様々な賞にも沢山選んで頂いていて。シリーズを通じて受賞し続けるって、他の絵本ではあまりないんじゃないかと。
永井
「ノラネコぐんだん きしゃぽっぽ」が『第8回 この本よかっ!! 子どもの絵本大賞 in 九州』で2014年新刊絵本第1位、翌年刊行の「ノラネコぐんだん おすしやさん」が『オリオン書房絵本グランプリ2015』の年間グランプリ、「ノラネコぐんだん そらをとぶ」は2017年の『第1回未来屋えほん大賞』の大賞を受賞…その他にも色々選んで頂いているよね。
本当に児童書担当の書店員さんたちが推してくれていて、書店さんをまわっていても、皆さんとてもノラネコを愛してくれてるのがわかる。お願いしたわけじゃないのに、自主的に大きなPOPを作ってくれていたり、ぬいぐるみを作ってくれたり。展示するのを楽しんでくれているんだよね。
川又
宣伝では、ポスター、POP、販売台などを作らせてもらっていますが、書店さんに喜んで使っていただけているので作りがいがあります。販売の永井さんからは書店員さんの要望がタイムリーに伝わってくるので、こういうものを作ろうって発想もどんどんわいてきます。
永井
この間、川又くんが書店員さんへのお礼で作ってくれた缶バッジもとっても好評だったよ。
川又
店頭やYouTubeで流すプロモーション映像を制作したのも、絵本では画期的なことみたいですね。コミックの宣伝ではよく制作しているんですけど。
永井
そうそう。購入者特典を付けるのもコミックの流れ。絵本ではあんまり例がなくて。白泉社ならではのプロモーションで書店員さんにも喜んでもらえた。
ほんとに書店員さんには力を与えてもらっていて、それに応えるために、私たちもいろんなアイデアを出してノラネコの世界を広げていこう!とがんばってこれたと思います。
川又
僕たち社内だけでなく、書店員さんも含めて連携したプロジェクトチームだと思っています。

もっと部数を増やせないの?

永井
ノラネコでエポックメイキングな出来事は、第4弾の「ノラネコぐんだん そらをとぶ」の部数を決める会議のとき。提案した数字に対して、社長から「もっと初版の部数を増やせないの?」という問いかけがあって増やすための手段を考えることに。

白泉社

2016年の11月の発売だから、ちょうどクリスマス商戦で。「ノラネコぐんだん そらをとぶ」が第4弾で、その前が「ノラネコぐんだん パンこうじょう」「ノラネコぐんだん きしゃぽっぽ」「ノラネコぐんだん おすしやさん」。食べ物系が2冊と乗り物系が2冊ずつある!ってことで、箱入りでセット販売することに。
永井
「たべものGIFT BOX」と「のりものGIFT BOX」ね。
クリスマス商戦なのでメッセージカードも作って同梱して。
永井
それまで累計で30万部ぐらいで、それも絵本としてなかなかの数字だと思うんだけど、この後、1年で80万部を突破!
川又
もっと部数を増やそう、って声を聞いて、僕たちとしてもさらにスイッチが入りました。

ノラネコぐんだん、カフェになる

宮尾
書店さんとコラボしてカフェをオープンしたのも、「ノラネコぐんだん そらをとぶ」が出たときですよね。
そう、2016年の11月。
川又
店内にカフェを持っていらっしゃる書店さんと相談して、「NORANEKO COFFEEをやりましょう!」と。
私はデザインをするのが好きなので、kodomoeのふろくや懸賞の賞品用にノラネコのバッグとかTシャツなどのグッズも作っていて。「絵本ナビ」というサイトで販売したりもしていて、絵本だけじゃなくノラネコのグッズファンも少しずつ増えていた。そこでカフェができて、グッズ類も販売することになって、ノラネコの世界が一層広がっていった気がします。

白泉社

川又
僕も、個人的にマグカップを購入して愛用しています。
宮尾
NORANEKO COFFEEは新刊が出るタイミングで、カフェを併設している書店さんと期間限定で開催してるんですが、全国の書店さんから次回はぜひうちで!というお話をたくさん頂いて。カフェの取り仕切りはうちの部署でやっていて、私もグッズ関係の展開に取り組んでいます。今まではコラボグッズはカフェでしか買えなかったんですが、昨年の5月からkodomoe shopという通販サイトをオープンして、そちらでもご購入いただけるようにしました。グッズの種類もどんどん充実させていきますよ。
永井
書店さんのノラネコぐんだん装飾コンテスト、通称「ノラコン」もこの「ノラネコぐんだん そらをとぶ」の発売の頃から。こちらがお願いする前から、書店さんが自発的にアイデアにあふれた飾り付けをしてくれていたので、これを紹介しないのはもったいないとコンテストに。以降、新刊が出るたびの恒例になっていて。本当に書店さんの愛が大きいから、展示もすごく可愛くて凝ったものが多いんだよね。

100万部のその先に!

永井
コラボカフェも始まっていた2017年の1月に、常務が「累計100万部にするにはどうしたらいいか考えよう」って言い始めて。そうか100万部か!って新しい目標ができたんだよね。

白泉社

宮尾
達成するためには、さらにいろんなことを仕掛けないとですよね。グッズ単体としても可愛くて魅力的なので、自分の立場としては、それこそ絵本を知らない人の間でノラネコのグッズを広げていって、絵本にも気づいてもらえるような、裾野を広げる役割を果たせたらと。
川又
宣伝では、都営地下鉄のステッカー広告を出稿したり、今年の1月には全面の新聞広告を打ったり。新聞は絵本と相性がいい媒体だと考えています。この全面広告では、工藤先生がすごろくの具体的なアイデアをご提案くださってとても目を引くユニークなものになりました。これからも今までの絵本業界ではやらない変わったことにもどんどんチャレンジしていくつもりです。
永井
森さんは、ノラネコぐんだんのこの先について、何か野望はある?
工藤先生と私の間で目標にしていることがあって、それは500年後の子どもたちに愛される絵本を作ろうってことなんです。
永井
えっ、500年!源氏物語ができて1,000年くらいでしょ。
おいしそうな仕事の話がくるとすぐ飛びつきたくなるけど(笑)、近視眼的になって突っ走りすぎないよう、すごーく遠くの目標を見るようにしたいねって。 もちろんグッズ類も大好きなんだけど、最終的にはやっぱり絵本がすべての根幹にあって、絵本がきちんと売れていくというのが理想です。ノラネコぐんだんの絵本を読んだ子どもたちが大きくなって、親になったら子どもたちにまた同じ作品を読んであげるような、長く愛される作品にしていきたい。そのためにも500年先を見据えて、普遍的な面白さを目指していかないと。
川又
根本には普遍的な面白さがあって、それを白泉社ならではのちょっと変わったアイデアやメディアミックスで広めていく。絵本でもまんがでも同じように進めていけるといいですね。私個人としては、シリーズ累計100万部は達成が見えてきていると思うので、単刊で100万部突破を早く実現させたいし、それが十分目指せる作品だと思う。
永井
シリーズものって、1冊めがピークで、だんだん数字や面白さが下がってしまうことも多い。でもノラネコは新刊を出すたびに、今回のが1番!と書店員さんも言ってくれて、それがすごいこと。
「ノラネコぐんだん」は絵本としては変わっていて、主人公が悪役で(笑)、最後はドッカーン!って爆発しちゃったり、ネコなのに正座して反省したり。他の絵本の出版社では、できない表現だって言われることも多くて。白泉社はまんがを主体とした出版社なので、面白いことに最も重点を置く。まんがも白泉社の作品はちょっと変わってると言われることが多いし、ユニークという点では、絵本もまんがもどちらも白泉社ならでは。白泉社の社員が作るものは、どこかちょっと変なのかも(笑)。これからも読者の期待をいい意味で裏切っていく面白い作品を工藤先生と一緒に作り、このチームや書店員さんたちと力を合せてシリーズを盛り上げていきます!

白泉社 ノラネコぐんだんメンバー

就活生へメッセージ

  • 自分の
    いいところを
    見つけて!

    自分では気づかなくても、他の人からみたら意外と「売り」だったりすることがあるんです。視点を変えて自分を見つめなおして、隠れているいいところを見つけてみて。

  • 永井

    就職活動は
    いろんな会社を
    見るチャンス!

    社会人になると案外、他の会社のことってわからないもの。この会社じゃなきゃという思い込みを捨てて、いろんな会社を見て自分と相性のいい会社を見つけてください。

  • 川又

    大きな声で
    出版に対する
    熱い想いを!

    面接をする立場から言うと、大きな声ではっきりしゃべることが大事。あとは出版に対する想いがどれだけ強いかをアピールして欲しいですね。

  • 宮尾

    未来を自分が
    変えたいという
    想いが大事!

    出版業界は今、大きな転機を迎えています。今までの業界や白泉社が好きという人よりは、それを変えていきたい!という人にぜひ来て欲しいです。

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