MOE編集部 編集長 門野 隆
MOE編集部 編集長 門野 隆
「今」だからこその絵本の楽しみ方を伝えたい

グラビア担当で
企画の面白さに開眼

入社して配属になったのはヤングアニマル編集部。しばらくして、グラビアを担当することになりました。それまでのまんがの仕事に加え、新しい仕事を覚えていくことがとにかく楽しくて、覚えてくると、さらに欲が出てきて。当時はグラビアを扱う雑誌がたくさんあったのですが、どうしたら他誌と差別化できるかを常に考えていましたね。グラビアとまんがのコラボ企画もいち早く実施しました。他誌より面白いことを!、今までやっていなかったことを!、と、読者にも面白がってもらえることが嬉しくて、どんどん企画することに夢中になっていきました。

異動で視野が
大きく拡がった!

入社15年で、広告企画課(現コンテンツビジネス1課)に異動することに。異動して気づいたのは、知らないうちに視野が狭くなっていたのかもしれないということでした。編集部では、雑誌の中で面白いものを、と頑張っていましたが、他所が見えなくなっていたんですね。異動後は、一般企業や広告代理店の方と接する機会が増え、一般の人の目をより意識するように。世の中の人が今、何を面白いと思っているのか、何を欲しているのかということが見えてきたんです。世間に迎合することがいいとは思いませんが、外の考えを知った上でコンテンツづくりをしなければという新しい視点を持てて、自分にとってはすごくプラスになりました。

絵本の魅力に目覚める

MOEの編集長になる以前は、実は絵本をあまり意識したことがなかったんです。そこで実家に帰ったときに、自分が子どもの頃にどんな絵本を読んでいたのかを親に聞いてみました。すると、親が意外にもその頃の絵本をたくさん残してくれていたんです。全部で100冊ぐらいあったかな。それを読み返してみると、忘れていた当時の記憶が甦ってきて、いま読んでも面白いことに気づきました。そのとき、MOEは絵本を忘れてしまっていた人たちに絵本の面白さを思い出してもらえる、絵本の楽しさに気づいてもらえるきっかけとなる雑誌にしたい!と心が決まりました。

MOEの変革にチャレンジ!

編集長になってから、今までの誌面ではやったことがないことにチャレンジしています。2017年の6月号では、まもなく創刊から40年目を迎えるMOEの歴史の中でも初めてモデルさんの写真を表紙にして、のんさんに登場してもらいました。続いて7月号では絵本好きという満島ひかりさんを表紙に。タレントさんを起用することでマスコミからの反響もあり、編集部に取材が入ったことも。一般の人と絵本をつなげるきっかけ作りに役立ったのではと思います。また、2018年の1月号では「日本のすごい絵本作家100名」という特集で、絵本作家さん自身にスポットを当てビジュアルを紹介。絵本作家さんとのつながりが深いMOEだからこそできる企画であり、絵本に興味のない人にも面白がってもらえる特集となりました。
MOEからも絵本を出版しているヨシタケシンスケさんの登場もあって、パパママ以外の大人も絵本を読むようになり、今は絵本ブームと言われています。以前にヤングアニマルで体験した読者に伝わった時の喜び、それを原動力に、MOEでも多くの人に絵本の魅力を知ってもらう企画をさらに試していきます。

MOEをもっと変える
「変」集長に

これから先、より積極的に進めていきたいのは、MOEという雑誌からもっと絵本を出していくこと。すでにMOEにもヒグチユウコさんやヨシタケシンスケさん、なかやみわさんなど多くの作家さんにご協力いただいてヒット作がありますが、世の中のブームの後押しも受けて、さらにヒットを狙える土壌が整ってきました。MOE絵本屋さん大賞(全国3000人の書店および絵本専門店の担当者のアンケートにより、その年に最も支持された絵本30冊を決定)も、2017年で10回を迎えて、注目してもらえる賞になってきています。
MOEに関わるまで、残念ながら自分も持っていた「絵本は子どもや限られた読者のもの」という既成概念。絵本を改めて知った自分にとっては、すごくもったいないし、悔しい状況でもあります。絵本を忘れているたくさんの人に、「今」の絵本の楽しさを知ってもらいたい。新しいきっかけをMOEが発信して、現状を変えていきたいです。

就活生へのメッセージ

出会ったものを好きになれ

これが好き!あれが嫌い!と好き嫌いをはっきり持つのも大切ですが、新しく出会ったものに対して、興味を持って好きになれることも編集に必要な才能の1つかなと。先入観を持ちすぎないで!

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