Team Project ノラネコぐんだんで横につながるチームの「おもしろさ」! ノラネコぐんだんチーム

関わるすべての人たちと一緒に、未来の名作絵本をつくる。

2019年10月27日に開催された「ラララボ! 1dayハイスピード マンガ賞」。同まんが賞は、作品を投稿してからデビュー決定まで、たったの1週間という驚異のスピード感が話題となり、最終的には応募総数約340本、6人のデビュー作家を輩出するという大成功を収めました。白泉社全誌合同のマンガ投稿サイト「マンガラボ!」が社内の編集部とコラボレーションしたのは初めての試み。『LaLa』編集部員と「マンガラボ!」を運営するキャラクタープロデュース部員が、その舞台裏を明かします。

  • 中村 友美

    nakamura tomomi
    LaLa編集部
  • 佐藤 洸

    sato takeshi
    LaLa編集部
  • 福嶋 麻友

    fukushima mayu
    LaLa編集部
  • 山﨑 佑輔

    yamazaki yusuke
    キャラクタープロデュース部
まんがのSNS時代にフィットした、『LaLa』総動員のまんが賞。

中村

『LaLa』に限った話ではないけど、最近は雑誌のまんが賞に投稿される作品の数が減っているよね。

佐藤

作品をアップすればユーザーから反応が返ってくるTwitterやPixivを作品を発表する場に選ぶ作家さんが多くなっていて。

福嶋

私も『LaLa』が月例でやっている「LMS」(ララまんが家スカウトコース)を担当しているけど、投稿してから結果が出るまでに時間が掛かっちゃうんですよね。締め切ってから誌面に載るまで1か月半くらい空くので、投稿する作家さんのモチベーションが落ちていないかなって。

山﨑

SNSにアップしてすぐ反応がほしい人がいるなかで、「ラララボ! 1dayハイスピード マンガ賞」(以下、「ラララボ!」)は新しくて、すごくいい企画だと思いました。

中村

手帳を見てみると、私が企画し始めたのが2019年の7月半ばで。はじめに、キャラクタープロデュース部の井手室長に相談して、『LaLa』の会議で提案したのが8月8日って書いてある。
企画してから実現するまでもハイスピードという(笑)。

山﨑

「ラララボ!」はどうして10月27日に開催を決めたんですか?

中村

『LaLa』の鈴木編集長に話したときに、「LMG」(ララまんがグランプリ)が4月、8月、12月末締切だから、それと被らない時期がいいなって話になったんだよね。

佐藤

鳥嶋会長と菅原社長、『LaLa』で連載している作家さんたちもコメンテーターとして協力してくださって。僕はコメンテーターの田中メカ先生と、イラストを描き下ろしてくださった緑川ゆき先生の対談記事を企画して、同期20周年のお2人は対談の中でも投稿作品が減っていることを危惧されていました。緑川先生と田中先生はすごくリスペクトしあってらっしゃるし、ライバルでもある。お2人とも後輩の作家さんたちのことを考えているから、あの対談は読み応えがありました。

嬉しい誤算続きのイベント当日。

山﨑

「ラララボ!」開催当日まで、僕は編集部員、会長、社長、作家さんからコメントをいただいて、カウントダウン的に1日1コメントをTwitterにアップしました。又、リツイートキャンペーンとしてAmazonギフト券をプレゼントする企画をやったら、1500回くらいリツイートされて、「マンガラボ!」のフォロワーが1400人くらい増えたんですよね。

中村

山﨑くんはイベント当日もTwitterで盛り上げてくれたよね。

山﨑

僕は作品にコメントをする役割じゃなかったので。当日は「作品が何本届いている」という報告を逐一しました。後は、今回はじめて作家さんがコメントをするということで、1日限定でコメントするにあたって、作家さん向けにマニュアルをつくって。

福嶋

中村さんがすごく楽しげな企画書をつくってくれたから、当日はあんなに壮絶になるとは思わなかった(笑)。

中村

企画段階では、あんなに届くとは思ってなくて!
30本くらい投稿されたら嬉しいな、と思っていたら・・・

山﨑

蓋を開けたら、1日だけで約340本も集まったという。

中村

当初は受付開始時間を昼の12時に設定していたでしょう。でも、山﨑くんが投稿本数を増やすために、投稿開始時間を0時に繰り上げることを提案してくれて。たしかイベント3日前だったかな?そうしたら日付が変わった瞬間にめちゃくちゃ投稿があって!

山﨑

その時点で30本くらい届いたんですよ。

福嶋

「もう投稿が来てる!良かった」と思っていたら、起きたときには大変なことになっていて。コメントは昼スタート&シフト制のつもりでいたけど、前倒してフル稼働したほうがいいっていうザワつきが…。

佐藤

それで当日は10時からコメントを書き始めたんだよね。日曜日だったけど、会長と社長も会社でスタンバイしてくださって。

中村

お昼ご飯をデリバリーしたのに、落ち着いて食べる時間がなくて(笑)。どこかで休憩を入れようとしても、みんなコメントを書き続けているっていう。『LaLa』編集部員1人あたり、30本ずつくらいは書いたと思う。「ラララボ!」の編集者プロフィールを見ると、みんな10月27日に書いたコメント数が異常に多い(笑)。

山﨑

投稿フォームの下に応募作品がリアルタイムで増えていく様子もウェブならではでした。たしか23時くらいに一次審査の発表をしたのかな。
打ち上げに行ったのが24時を過ぎていたから。

福嶋

最初はみんな口数も多かったけど、17時、18時くらいからシーンとしてしまって。ここまで終わったら休憩と決めていたのに、追いつかないほどに投稿が増え続けていたよね。気づいたら22時までノンストップだった。

佐藤

先生方も協力的で、藤原ヒロ先生は全作品に目を通そうと思ったっておっしゃってました。緑川先生は宣伝用に「夏目友人帳」のニャンコ先生を3体も描いてくださって。投稿作品が減っているなかで、力になれたらということで、とても素敵なカラーイラストを描いてくださったんですよね。

想像以上にハイレベル。世の中にはまんがを描く人がまだまだいる。

中村

「ラララボ!」をやってみて、みんなの収穫はどうだった?

福嶋

1日の間にあんな沢山の投稿作品を読むのは初体験で、コメント力や読むスピードを鍛えられた気がします。

山﨑

「マンガラボ!」としては、編集部と組んでまんが賞をやるのははじめての試みだったので大成功でした。「ラララボ!」の影響で、他の編集部からの相談も活発になってきています。作品を投稿してくれた作家さんからは「このイベントめちゃくちゃありがたい」「今後の創作活動のやる気が出た」とか、好意的なツイートが多かったですね。

佐藤

作家さんや鳥嶋会長、菅原社長に見てもらえるのは応募が増えた大きな要因だったと思う。作家さんのコメントを見ると、編集者の批評とはまた違った角度の見方があって、とても勉強になりました。

中村

投稿してくれた作家さんのなかには、めちゃくちゃレベルが高い人もいて。最初の構想では、2〜3人デビューする人がいたら嬉しいな、と思っていたけど、想像以上にレベルが高かった。その結果、グランプリに輝いたのが4人、急きょ準グランプリも2人決めて、合計6人がデビューしたという。

福嶋

「ラララボ!」で担当につかせてもらった作家さんの作品が連載になったり、コミックスを出せたりすると、この賞の意義がさらに大きくなるなと。

中村

『LaLa』編集部のガチ感も伝わったんじゃないかな。投稿者の作家さんたちも、「1日で本当に全作品にコメントがつくの?」って疑っていたかもしれない。みんなが本気の丁寧なコメントを返してくれて、「LaLaは本気だ!」と思ってくれた方もいたのかなと。
今年も「ラララボ!」を開催するから、1回目以上に結果を出せるといいな。

「ラララボ!1dayハイスピードマンガ賞」第2回は2020年5月24日(日)00:00受付スタート!新たなドラマが幕を開けます!