あらゆる手法でまんがを宣伝
自分の企画が形になる面白さ
INTERVIEW
宣伝広報部宣伝課/2022年入社 O.N
『花とゆめ』担当として、雑誌と作品の魅力を発信


昔から小説やまんがが好きで、就職活動では「仕事をするなら興味がある分野で」を念頭に、出版社や映画に関わる企業を検討しました。中でもまんがも児童書も扱う白泉社は私にとってかなり魅力的。入社時の配属先希望では、絵本やキャラクターがテーマの雑誌『MOE』編集部を第一志望、宣伝部宣伝課を第二志望にしていました。
白泉社の宣伝課では、雑誌ごとに担当者がつき、雑誌や掲載作品の宣伝を行っています。私の担当は、少女まんが誌『花とゆめ』、WEBコミック誌『花ゆめAi』、アプリ「マンガPark」の一部作品。基本的にまんがの宣伝に関わる業務はすべて担うのですが、媒体としては、駅の交通広告、街中のビジョン広告、書店のポスターやPOPなどが多いですね。また、ホームページの管理、SNSの投稿、PVの制作も業務に含まれます。
宣伝を打つタイミングは、各作品がメディア化した時や新刊の発売時、売上部数が伸び「●●万部突破」といったトピックスが生まれた時に多くなります。このタイミングを含め、掲出媒体や具体的な内容は、基本的に宣伝課が企画し、作品の担当編集や宣伝課内で協議。OKが出ると、実制作のフェーズに移ります。例えば、ポスターであればグラフィックデザイナーに発注したり、PVであれば私が絵コンテを作って映像制作会社に発注したり。宣伝課としては、どういった手法や表現がターゲットに刺さるのか、またどのような媒体が利用されているのかなど、常にアンテナを張って情報を取り入れることも大切な仕事です。
私たちが目指すゴールは2段階あります。1つ目は、販促物であれば書店に納品される、PVであれば動画サイトで公開されるなど、業務上の区切り。2つ目は、宣伝によって作品が売れたり、認知度が上がったりすること。しかし、一般的に宣伝は効果測定が難しく、自分で仕掛けた企画がどれだけ売り上げに貢献できたのかを数字で表せない、というもどかしさがあるのも事実です。効果測定は今後の課題の一つですね。
悩みながら創り出した「記念広告」の反響に手応え


今までで一番規模が大きかった企画は、『花とゆめ』50周年記念企画です。『花とゆめ』の認知度を高め、現在離れている読者に戻ってきてもらう、まだ読んだことのない方に知ってもらうことを目的に、全体的な予算組みから、企画を一緒に進める広告代理店の選定、編集部への企画提案、作家への作品使用許諾申請まで、あらゆる業務を担当しました。
多様な企画の中でも、特に難しさと手応えを感じたのは、過去の有名作品を使った「記念広告」です。世代ごとに異なる「これこそが『花とゆめ』だよね」というまんがを25作品掲出する企画内容だったのですが、この作品選定がかなりの難題でした。単純に知名度で上から順に選ぶのではなく、掲載時期や作家、ジャンルに偏りがないようにと検討を始めたところ、最後の最後まで悩み続け、「記念広告」完成後にも、「やっぱりこれも入れるべきだったかな」という迷いが残りました。結果としては、「記念広告」のJR京浜東北線中づりジャックはSNSでも大きな反響をいただき、しっかりとした手応えを感じることができました。
『多聞くん今どっち!?』という作品の単行本7巻発売時に実施したアドトラックの企画も思い出深いですね。多聞くんは作中で大人気のアイドル。私は以前からアーティストの宣伝をするアドトラックを見ては「いつか多聞くんでやりたい」と思っていて、7巻発売というタイミングで企画を社内提案したんです。デザインやBGMもアーティスト広告に寄せるなど力を入れて制作したため、実際に渋谷や池袋の街中を“多聞トラック”が走っている姿を見た時は感動しました。
芸能界が舞台の作品『スキップ・ビート!』の50巻発売時には、本編の内容に合わせてアクションムービーを企画しました。菅原圭さんの楽曲「リミテッド」と、世界的スタントパフォーマーで俳優の伊澤彩織さんによる迫真のアクションが重なった映像は圧巻でしたね。まんがのファンの方からの反応はもちろん、菅原さんや伊澤さんのファンの方からも大きな反響をいただき、作品が新しい層へ広まっていくことを実感できた企画でした。
野望がいつか叶うかもしれない、可能性に満ちた仕事


自分が面白いを思ったものを他人に布教したいという気持ちは、多くのオタクの方が持っていると思います。それを仕事として、会社の予算を使って、大々的に行えちゃうのが、宣伝課で働くおもしろさの一つなんですよね。白泉社は規模が大きくないからこそ、若手でも裁量権が大きく、意欲的なチャレンジには積極的にサポートしてくれる会社。頭ごなしに否定されることはまずないので、「いつか大好きな著名人に会いたい」「推しと推しをつなげる企画をつくりたい」といった野望をずっと温め続けていれば、いつか叶えられる可能性もあると思います。
また、宣伝を行う部署はメーカーなど大企業の花形とも言われますが、大企業の場合はその部署に配属される確率はかなり低いでしょう。さらに、他業界では自社のブランディングに力を入れるケースが多いですが、出版社の線では各作品のPRがメインです。作品によって仕掛けられる企画が異なり、多種多様な手法で宣伝を企むことができるので、自分のアイディアを形にしたい、世の中に発信する仕事がしたいという方は、ぜひ白泉社の宣伝課で活躍していただきたいと思います。
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