白泉社 2027年度 定期採用情報

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#03

デジタル営業
2020年入社S.A

自分で考えたネタを全世界に発信 “まんがの宣伝プロデュース業”

I N T E R V I E W プロデューサーインタビュー

編集が作家と作り上げた作品を連携して世に送り出す

学生時代は専攻である情報工学の道を進もうと考えていたものの、就活を進める中で自分の好きなまんがやゲームに携わりたいという気持ちが膨らみ、エンタメ系にシフト。白泉社の採用試験を受けた際にも、ヤングアニマル編集部などのまんが編集部を第一志望にしていました。実際に配属されたのは宣伝広報部。直接まんがづくりを行う部署ではないものの、好きな作品の宣伝に関わることができるうえ、若手の意見を尊重しつつサポートしてくれる宣伝広報部の雰囲気が自分に合っていると感じました。

デジタル営業部に来たのは2024年6月。宣伝広報部では実店舗の書店にポスターやPOPなどの販促物を制作することが多かったですが、デジタル営業部のフィールドはWEB。電子コミックスのデータを作成し、電子書店に卸し、販売してもらうのが主な仕事です。紙の書籍は再販売価格維持制度という制度があるため、書店が売る値段を変えられず、価格を武器にできないのですが、電子書籍は“期間限定無料”や“割引”などの施策が可能という違いがあります。私たちは日々さまざまな施策を練り、いかに電子書店で売ってもらうか、ユーザーに読むきっかけを持ってもらえるかを模索しています。ちなみに販売部は、書店や販売会社(取次)にどれくらいの部数を送り込むのか、目標の売上を達成するためにはどんな方法が最適かを考える部署で、宣伝やデジタル営業と近い領域ですが、手段が異なります。編集が作家と作り上げた作品を、私たちデジタル営業・宣伝・販売などの部署が連携して世に送り出しているのです。

アニメ化や新刊発売、“●●の日”に合わせて施策を企画

具体的な大型施策例を挙げると、2025年7月に実施したコミックシーモアでの企画が記憶に新しいですね。2025年1月から『Sランクモンスターの《ベヒーモス》だけど、猫と間違われてエルフ娘の騎士として暮らしてます』、2025年4月から『紫雲寺家の子供たち』『ロックは淑女の嗜みでして』などアニメ化が続くタイミングに合わせ、『ヤングアニマル』にフォーカスした施策を行いたいと考え、“1日限定全話無料”を8作品、“大量無料”を3週に分けて数十作品で実施しました。こうした施策はまず、事前の書店への相談に始まり、書店から提案された企画をもとに検討を重ね、編集部や作家からの許諾をもらいながら、最終的な調整を経て、実施に至る流れが多いですね。

自分でゼロから企画を練って行う施策もあります。2025年6月9日“ロックの日”には、『ヤングアニマル』連載中の『ロックは淑女の嗜みでして』と、芳文社さんの『ぼっち・ざ・ろっく!』のコラボ施策を全書店で実施しました。芳文社さんに打診したところ快諾いただき、他出版社との珍しいコラボが実現しました。結果としては非常に反響が大きく、各作品の読者にとって、互いの作品を知る良いきっかけづくりになったのではと手応えを感じています。

現在(※)は、2025年9月29日に新刊が発売される『3月のライオン』の宣伝として、全書店のほか「LINEマンガ」での大型施策を計画中です。発売前5日間の“全話無料”と、その後15巻までの“待てば無料”を予定しています。“全話無料”などの大型施策の場合、電子書店内で大きな露出をしてもらったり外部に広告を出してもらうことがあるほか、無料期間に読みきれなかったユーザーが続きを購入してくれたり、読み切ったユーザーが手元に置きたいなどの理由から紙の単行本を購入してくれたりするため、その効果はかなり大きいと言えます。
※2025年9月現在

スピード感やトレンドの変遷は電子書籍ならでは

私たちが目指す最終的なゴールは、売上を増やすこと。実店舗型の書店が減り、電子書籍の売上が増えている現在、デジタル営業部が担う役割は年々大きくなっていると感じます。また、売り方の多様化が進む電子書籍業界では、読み放題プランや縦読み作品などの流行があるため、時流に沿った施策を考える必要があるうえ、WEBやアプリでどのような作品が今読まれているのか、頻繁に変わるトレンドを掴むのもデジタル営業として大切な仕事です。また、すべてを電子で売れば良いという話でもなく、ジャンルや作品によっては紙の方が売りやすいものがあるので、その見極めも重要ですね。

デジタル“営業”ですので、やはり売上に貢献できるとやりがいを感じますね。また、電子書店での施策は、ランキングなどの情報によって売れ行きを翌日に確認できるスピード感があるのも特徴。反響や手応えをすぐに得られるのは、デジタルならではの魅力だと思います。そして、自分で考えた施策を打てる、温めてきたネタを全世界に向けて発信できるという点では、まんがの宣伝プロデュース業とも言えるでしょう。もちろん、自分がそうであったように、入社時点で電子書籍や広告の知識・経験は一切不要ですので、興味のある方は安心して来ていただけたらと思います。

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