白泉社の人々PEOPLES

まんが家や少女の立場で等身大のアドバイス

花とゆめ編集部首藤 啓太

まんがを描いて
自分を売り込む

まんがが好きという理由から出版社を受けようと決めたのですが、九州の大学だったこともあって出版関係のツテがなく、OB訪問すらままならない状況でした。何の武器もないまま面接を受けても勝てないと思い、「昔から絵は好きだし、まんがを投稿してみよう」と思い立ち、『ヤングアニマル』のまんが賞に応募してみたんです。すると、その作品が佳作に選ばれて担当編集まで付いていただき、白泉社に何かしらの縁を感じました。その勢いでエントリーして面接でそのことを話したところ、採用担当の方々にも興味を持っていただき、何とか採用していただきました。
ですが、投稿するほど『ヤングアニマル』が好きで白泉社を志望したので、『花とゆめ』に配属された時はちょっと驚きました。初めはやはりとまどう部分も多かったのですが、面白い作品に出会ったり、素晴らしい才能を持った作家さんに出会えたりしたことで、少女まんがにどんどん惹かれていきました。最近では、心が乙女に近づいている気がするほどです。とある恋愛リアリティショーを観ていた時に、完全に女性目線でカッコいい男を探していた時は、自分でも驚きました。2年目にしてようやく、少しだけ成長を実感できた瞬間でした。
ちなみに、編集部内の雰囲気は穏やかで、とても居心地がよいです。ただ、2年目になって後輩ができてうれしい反面、ちょっと焦りもあります。いまはとにかく後輩たちに追い越されないように必死に仕事に取り組んでいます。

首藤 啓太

大作に関わることで
意欲が上昇

1年目から2年目にかけては、作家さんに尊敬の念を持ちつづけることの大切さを学びました。自分で実際にまんがを描いてみたから実感できる部分もあるのですが、作家さんがまんがを作る労力は並々ならぬものです。だからこそ、編集者はその苦労や愛情をしっかりと受け止めた上で、作品がより多くの人たちに認められるように全力で作品と向き合ったり、作家さんがまんがに集中できる環境を整えたりしないといけないと思うのです。
今はそういう思いを胸に20人くらいの新人作家さんや、2本の連載作品を担当しています。そのなかで特に印象深かったのは、高屋奈月先生の『フルーツバスケット』のアニメ化を先輩から引き継いだことです。数年前から温められていた企画で規模も大きく、想像以上のプレッシャーがありました。とりわけ大変なのは制作会社をはじめとした社外の方との調整です。先生とアニメ制作サイドとの板挟みにあって思い悩むこともありますが、「自分も、読者にこれほど愛される作品を作りたい!」と日々意欲を掻き立てられます。
こうした経験も活かして、これからはますます作家さんたちとしっかり向き合いながら大ヒット作品を生み出せるように頑張りたいと思います。もちろん、これから増える後輩たちとも切磋琢磨していきたいですね。

首藤 啓太

編集長からひとこと 花とゆめ編集長 佐藤 一哉 花とゆめ編集長
佐藤 一哉

1年目からとてもマジメに仕事に取り組んでくれています。自分の考えを持っているし、作家さんへの対応がソフトなので、安心して仕事を任せられます。最近は以前よりも積極的に発言したり、行動したりしているので頼もしいかぎりです。