白泉社で働くということ 私のキャリアパス

山あり谷あり!? 雑誌編集長の入社からこれまで、怒涛のステップアップ年表。

kodomoe編集長 1997年入社 森 綾子

私の「タイ!」「絵本界の異端児になりたい」

絵本では後発の白泉社が児童書業界で存在感を放つためには、「これぞ白泉社の絵本!」と言って頂けるような、白泉社らしい個性が光る作品を生み出すことが必要だと考えています。「絵本はこうあるべき」という既成概念にとらわれず、新しくて面白いものにこだわった作品をどんどん作り、絵本界の異端児になりたいです。

1997.Apr

入社して書籍部に配属

2001.May

「月刊ガラスの仮面」で思い切った企画に挑戦

高校生の頃からまんが編集者になりたくて、大好きな「ガラスの仮面」の白泉社に入社。配属先の書籍編集部で、その「ガラスの仮面」に関わるチャンスが!「月刊ガラスの仮面」を1年半にわたって担当しました。昔からの読者としてどんな新しさが欲しいか考えた結果、真澄さまの名刺などを付けた「愛しの真澄さま6点セット」や、月影先生の有名な「おそろしい子!!」などをピックアップした「名せりふメッセージカード」といったマニアックな豪華口絵付録を企画。今でこそ「ガラスの仮面」のギャグ路線の企画も浸透していますが、当時はこの名作でこんなに遊んでしまっていいのかとドキドキでした。でも、美内先生が面白がってくださって「どんどんやっていいわよ」と言って頂けてビックリ&感動! 書籍部では他にも「ふたりエッチ」のハウツー本「ふたりエッチマニュアル」を企画したり、社の作品を違う切り口で見せる方法を常に考えていました。

2003.Feb

MOE編集部で絵本の勉強をイチから

書籍部に6年いた後は、MOE編集部に異動。MOEでは雑誌企画をやりつつ、絵本企画も考えるのが仕事。書籍部で本作りの経験は出来ていたので、ロングセラーの絵本はどんな作品なのか、世の中では今、どんな絵本が求められているのか、書庫の絵本をひたすら読み込んで勉強しました。ただ、私は人見知り&口下手という編集者にとって致命傷では!?と思われるタイプの人間なので、人気作家さんを口説いてヒット絵本を作る先輩たちを憧れのまなざしで見ながら、何をどう頼んだらいいのかわからないという状態で、悶々と悩んでいました。

2006.Feb

MOE編集部のチーフに

2006.Oct

84個のパンを焼いた「からすのパンやさん」

雑誌の誌面では、絵本とリアルな世界をつなげるのもMOEの役割なのでは、と考えて企画を立てていました。食いしん坊だから食べ物関連の企画が多いのですが(笑)、かこさとし先生の「からすのパンやさん」の絵本に出てくるパン84個を実際に焼いて再現するページを作ったことも。試作も含めてパン作りと撮影に1週間かかりましたが、先生や読者が喜んでくださって手応えを感じ、自分の方向性がなんとなく見えてきました。

2007.Mar

産休育休取得

2010.Feb

MOE編集部 副編集長に

2011.Nov

子育てが「こどもMOE」につながる

子どもを産んでから、絵本の読み聞かせの魅力を再発見。それまで、読書の素晴らしさは、現実をひととき離れて物語の世界にどっぷりつかれるところにあると思っていましたが、小さい子どもにとっての絵本って、おもちゃであり、大好きなお母さん・お父さんと一緒に時間を共有できるものであり、あくまで現実とリンクしている「コミュニケーションの道具」なんですよね。子どもはページをめくるリズムや音の楽しさまで立体的に受け取るから、「読み聞かせてもらって」面白い絵本が好きなんです。そんな自分の子育て体験から発想して企画したのが、親子にターゲットを絞った絵本雑誌、MOE増刊「こどもMOE(現kodomoe)」です。
kodomoeの付録の別冊絵本は、絵本に興味がないような子でも食いつくきっかけになるように、できるだけ敷居を低くと考えていて、お母さんが読みやすくて子どもも飽きにくい短めの24ページ、判型もコンパクトな正方形と決めました。読者層と目的を絞り込んだので、作家さんにも企画意図がきちんと伝わるようになって、苦手意識のあった依頼もほとんど断られなくなっていきました。

2012.Feb

こどもMOE編集長代理に

2012.May

「ノラネコぐんだん」シリーズ誕生!

工藤ノリコ先生は、入社してすぐの頃からおつきあいのある絵本作家でまんが家さん。書籍部時代に担当したコミックス「ワンワンちゃん」の作中に登場するワル可愛いノラネコぐんだんに惹かれて、「『ノラネコぐんだん』と『パン』の組合せで!」と絵本を依頼。「こどもMOE」vol.2の付録絵本に登場すると凄い反響があり、「ノラネコぐんだんパンこうじょう」を皮切りに人気シリーズとなりました。
作家さんに言葉で伝えるのが苦手な私ですが、「こどもMOE」という明確な目的の下にテーマを絞り込んで伝えた事が良かったんですね。書籍部時代からのご縁で工藤先生に信頼して頂いた結果、ヒット作につながったこともとても嬉しかったです。

2013.Feb

kodomoe創刊

2016.Jun

kodomoe編集長に

2016.Nov

白泉社にしか出来ない絵本を目指す

作家さんや外部の方から「kodomoeの絵本って独特のカラーがありますね」と言われることが。意識したことはなかったんですが、もしかしたらまんががメインの会社だからこその、面白さにこだわるDNAが自分の中にもあるのかもしれません。絵本の世界でも、白泉社ブランドのオリジナリティを確立していけたらというのが今の課題。何十年も前からのベストセラーが売れる絵本の世界で、新しいものを作れないかと考えて、kodomoeの付録絵本は異業種の方にもお願いしています。最近ではベストセラー「最後のダイエット」の予防医学研究者 石川善樹さんによる理系の絵本「たす」などの企画も。作家さんの個性や発想の自由さを大切にする白泉社らしさを活かしつつ、絵本作家さんとも異業種の方ともチャレンジングな絵本作りで、新しい絵本の世界を目指したいです。

2016.Dec

絵本×リアルへ

2016年からはkodomoeの付録絵本を1冊から2冊にして、お話ものと別のテイストの作品を掲載してバリエーションをつけるようにしています。知育ものにも力を入れていて、大森裕子先生の「おすしのずかん」は、先生との「寿司ネタとお魚が一致しないよね」という話から生まれました。出版記念では銀座のお寿司屋さんとコラボして、表紙のお寿司「ペンギンずしセット」が食べられる体験型ファミリーイベントを開催。改めて、私は絵本とリアルをつなげるのが好きなんだなと思いました。絵本を本としてだけで楽しむんじゃなくて、コミュニケーションの1つとして楽しんでもらえたら。そんな企画をこれからもどんどんやっていきたいです。