●彼と彼の、薔薇色の人生

　フランス革命時代のめまぐるしい世の中の動きと共に、登場人物達ひとりひとりの血肉の通った人生を凝縮した濃密な物語。貴族でありながら、娼館に売られた少年ジャックを金で買った顔に傷のある男ジェラール。彼らの出会いは、蓋をされた悲しみの上にあった。でも悲しみは喜びの入り口でもあるのだと信じたくなる一冊です。

●天然×天然＝ほわほわの幸せ

　優しいあったかい気持ちになりたいとき、そしてその灯りを胸に点しつづけるための勇気が欲しいとき、背中を押してくれる。それがこの本の効能です。戦国時代、加賀の国へお輿入れの決まった千沙姫は、まだ見ぬ旦那様に胸高鳴らせるものの、当の一清様が戦に出て戻らない。不安と不満大爆発の姫は実家に帰ると息巻いて…。

【一清＆千沙姫シリーズ】
「1／10のないしょ話」「お伽話がきこえる」（全2巻）

●呪われた青い瞳の女伯爵

　主役は凄惨な最期が若くして運命づけられている呪いの「ラ・コンテス・ブリュー」の瞳を持つ、パトウ家の女伯爵、しかも男装の麗人！ 舞台の始まりは19世紀末の北アフリカ・ナイジェリアで、外人部隊に、砂漠を駆ける誇り高い部族まで登場。絢爛豪華な抗いがたい危険な魅力に満ちた世界に、どっぷり溺れてください！

●本から飛び出して動くルネサンス

　わくわくさせてくれる。胸躍る。そんなダイナミックな人間と時代がぎゅっと詰め込まれている一冊。15世紀のイタリアで生きたレオナルド・ダ・ヴィンチも、支配者ロレンツォも、目を見張る自由奔放さで動き回る。彼らがたしかにこんなふうにものを見て感じて、行動したに違いないと信じてしまうほど、生命力に満ちている。