森本あき/作
起家一子/イラスト


2010年8月20日
シリーズ名 花丸文庫
作品名 彼には秘密の恋メール
巻数 全1巻
作家名 森本あき/作 起家一子/イラスト
定価(税込) 590円
判型 文庫判
内容 「初めてじゃないから」と嘘をついて始まった、好きな相手との体だけの関係。苦しい恋に悩む美久は、同じような境遇の『ホークアイ』という年下の男子高校生と、メールで励まし合うけれど……。
ISBN ISBN978-4-592-87635-9


P42−44.より抜粋

「ごめん」
 気まずそうな顔で謝る崇は、できることならいますぐここからいなくなりたい、とでも言いたげな、所在ない様子だった。
「ごめん。俺、そんな趣味ないんだけど。美久のこと見てたら、なんでだか…」
「別に気にしてねえよ」
 それ以外に、何が言えたのだろう。
 飲み会だった。酔っていた。おなじときにトイレに行った。トイレはひとつしか空いてなくて、おたがい譲り合っているうちに、なぜか一緒に入ってしまった。バカみたいだ、と笑って。笑いながら、相手の体に触れて。
 いつの間にか、キスしていた。
 どっちから始めたのか、どっちが先に離れたのか、それはもう記憶にない。
「いや、気にしろよ。男にキスされるなんて、普通じゃねえだろ」
 あまりにも申し訳なさそうな崇に、自然と言葉が出た。
「俺、ゲイだから」
 え? だれが?
 頭の中の冷静な自分が突っ込む。
「きっと、いまも無意識に崇のこと誘ってたんだよ。こういうこと、いままでも、よくあったし。別に、セックスしたわけじゃねえんだから、気にすんなって。酒の席だ。忘れようぜ」
 酔ってキスするなんて、よくあることだ。
 自分はしたことないけど。
 崇が初めてだけど。

続きは文庫で読んでくださいね。