「簡単だ。圭乃が誰より魅力的だから」
しれっと言い放ち、世准は圭乃に軽く唇を合わせる。
「……こんな美味なエネルギー、食したことはない」
「食事かよ」
てっきり恋人同士のキスかと思ったのに。
そんな圭乃の不愉快が判ったのか、世准が耳元で甘く囁いてきた。
「もちろん、キスが前提だな。キスついでの食事、だ。──それは毎夜のセックスにも言える」
「そーいうコトを、車中で言うなっつの」
小声だし、唇が触れそうなほど顔を寄せて会話しているとはいえ。
この甘い雰囲気は運転手さんにも流れてしまうだろう──本当は、関係を知っているとはいえ羽瀬川にも見られたくはない。
「大丈夫だ。この運転手は一之助の時代から南家に仕えている。当主が同性をパートナーにしていようが驚かないし、どんなことがあっても守秘義務は守る一流のプロだ」
「そういう問題じゃねーって」
デリカシーはないのか、世准は。