「見な」
天城の左腕に、刀傷が残っている。塞がったばかりのそれは、明らかに真新しいものだ。
「お前が俺につけた傷だ」
たいした大きさではないが、それでも自分がこの男に手傷を負わせられたことに、鈴鹿は驚きを禁じ得なかった。
「俺に傷を負わせた奴なんて、ここんとこいなかったからな。それだけでも、助ける価値はあるってもんだろ?」
この男は、自分に脅威をもたらす存在を歓迎しているのか。いや、だが鈴鹿にはまだその力がない。それはこの男にもわかっているはずだ。
天城の考えていることが理解できなくて、軽く混乱した鈴鹿は、彼からそっと視線を外した。
「お前は……」
「ん?」
「お前は何者なんだ」
「ただの賞金稼ぎだけど」
うさんくさすぎる。そもそも、この男自身が賞金首になっていないことが鈴鹿には疑問だ。
「あと、お前を殺さなかった理由がもうひとつ」
「え?」
寝台の上に影がかかって、鈴鹿はふと顔を上げる。すると壁際にいたはずの天城が、いきなり鈴鹿に覆い被さってきた。
「────やめろ!」
「いきなり斬りかかってきたお仕置きだよ」