西野 花/作
あじみね朔生/イラスト


2010年1月19日
シリーズ名 花丸文庫BLACK
作品名 恋水奇譚 〜SAMIDARE〜
巻数 全1巻
作家名 西野 花/作 あじみね朔生/イラスト
定価(税込) 690円
判型 文庫判
内容 盗まれた名刀・五月雨を正当な持ち主である師へ捧げるため、単独敵に挑んでいった鈴鹿。ところが、敵は至高の強さで、鈴鹿は何もできないどころかその場で辱められ……。愛と欲望の和風淫謀劇!!
ISBN ISBN978-4-592-85059-5


P37−38.より抜粋

 「見な」
 天城の左腕に、刀傷が残っている。塞がったばかりのそれは、明らかに真新しいものだ。
「お前が俺につけた傷だ」
 たいした大きさではないが、それでも自分がこの男に手傷を負わせられたことに、鈴鹿は驚きを禁じ得なかった。
「俺に傷を負わせた奴なんて、ここんとこいなかったからな。それだけでも、助ける価値はあるってもんだろ?」
 この男は、自分に脅威をもたらす存在を歓迎しているのか。いや、だが鈴鹿にはまだその力がない。それはこの男にもわかっているはずだ。
 天城の考えていることが理解できなくて、軽く混乱した鈴鹿は、彼からそっと視線を外した。
「お前は……」
「ん?」
「お前は何者なんだ」
「ただの賞金稼ぎだけど」
 うさんくさすぎる。そもそも、この男自身が賞金首になっていないことが鈴鹿には疑問だ。
「あと、お前を殺さなかった理由がもうひとつ」
「え?」
 寝台の上に影がかかって、鈴鹿はふと顔を上げる。すると壁際にいたはずの天城が、いきなり鈴鹿に覆い被さってきた。
「────やめろ!」
「いきなり斬りかかってきたお仕置きだよ」

続きは文庫で読んでくださいね。