スタイリッシュかつ、ダイナミック!!
流麗なイラストと息をのむストーリーでいつも読者を魅了し、神秘的な世界を見せてくれる清水玲子先生。
ララで好評連載中の
『輝夜姫』を中心に、いままで発表された数多くの作品のことや、先生のプライベートまで、たくさんのお話をうかがいました。


(C)清水玲子/白泉社 禁無断転載


「絵を描く仕事」に憧れていました!


Q 小さい頃はどんなお子さんでしたか?
清水先生:カレンダーの裏の白い所に絵を描きなぐっているおとなしい子供でした。

Q その頃から、絵がお好きだったんですね。まんがもよく読まれたと思いますが、その頃の作品の中から、先生のおススメを教えて下さい。
清水先生:一条ゆかり先生の『ジェミニ』『こいきな奴ら』など、雑誌では『りぼん』が好きでした。他には、萩尾望都先生の『ポーの一族』『11人いる!』や、山本鈴美香先生の『エースをねらえ!』、池田理代子先生の『ベルサイユのばら』などなど…。

Q いずれも名作ばかりですねぇ。将来の夢はやはり「まんが家」でしたか?
清水先生:「まんが家」になれたらいいとは思っていたけれど、絵を描く仕事なら何にでも憧れていました。

Q なるほど、子供の頃からの夢を実現されたわけですね。
先生の作品はストーリーの面白さもさることながら、イラストの美しさも大変印象的ですね。何か特別な勉強をされたのでしょうか?

清水先生:別にコレといった勉強はしていません。見よう見まねでしょうか…。

Q 見よう見まねとは…やはり、天性の才能をお持ちなんですね! では、お好きな画家・イラストレーターなどを教えてください。
清水先生:画家・イラストレーターでは、アングル 1、ミュシャ2、パリッシュ 3ロックウエル 4…、文月今日子さん、松苗あけみさん、内田善美さんが特に好きです。

Q :系統の違うアーティストたちがそろいましたねぇ。でも、先生のダイナミックで繊細なまんがのルーツがあるような気がします!

先生の一番好きなキャラは…?


Q 『輝夜姫』についてお伺いします。壮大な世界観が話題を呼んでいますが、この作品を描こうと思ったきっかけをお聞かせください。
清水先生:『徹子の部屋』にゲストで出ていた高木美也子氏5の『生命のゲーム』という本の話を聞いた時。臓器移植の話でした。

Q なるほど、でもそこからこんなスリリングな物語が出来るなんてやはり先生の発想のすごさにおどろかされますね。登場人物はそれぞれの個性が非常に際立っていますが、キャラクターの性格づけはどのように決められたのでしょうか?
清水先生:自分ではまだまだキャラクター(特にドナーの)個性を描けていないと思っているので…。

Q えっ、こんなに個性豊かなのに!? でも、たくさんの登場人物を描き分けるのは難しそうですね。その中で、先生の好きなキャラクターは誰ですか?
清水先生:由、サットン、ミラー、晶が好きです。特に由が一番好き。動物的なので。

Q 動物的…、確かに本能のままにといった感じですもんね(笑)。ところで、この作品ではそれぞれの国の民族衣装や建築物などが詳細に描かれていますが、資料集めは相当なご苦労があったとか。
清水先生:英国の戴冠式のあたり(花とゆめコミックス『輝夜姫』14巻)は大変でした。イギリスの姉から古本屋でそのテの本を集めて送ってもらったり…。でも、思いきり描けて気持ちよかったです。もっとも、アシスタントさんは大変でしたが(笑)。

Q 読んでいる方も、豪華絢爛で読んでいて気持ちがよかったですよ(笑)。世界中が舞台なのでいろいろな国の様子がわかりますし。ご自身はよく海外に行かれるのですか?
清水先生:あまり行きません。めんどくさがり屋なので(笑)。

Q めんどくさがり屋とは、意外な気もしますね。ではこの作品を描くにあたり、こだわっているのはどんな所でしょうか。
清水先生:ただでさえコムズカシイ内容なので、なるべく難しい印象にならないように。わけわかんなくても「何だか面白そうだぞ」と思ってくれたらいいと思って描いてます。

Q 難しいけれど、引き込まれるし、ハマってしまう作品ですね。さて、物語もいよいよ佳境に入ってきましたが、この先の展開を少しだけ教えてください。
清水先生:「月」はどうなるのか。晶と由、ドナーたちはどうなるのか。ってトコですね。

Q 気になりますねぇ。目が離せないですね。

『WILD CATS』の出来るまで…


Q 『WILD CATS』について。ライオンの仔が主人公というこのシリーズを描こうと思ったきっかけは何ですか?
清水先生:『輝夜姫』がフクザツな話なので、動物を主人公に明るい、のびのびとした話が描きたかった。フツーの人にもすすめられる話を描きたかったので。

Q では、作品ごとの描き分けの苦労などはありますか?
清水先生:苦労はネームが遅いという時間的、体力的なこと以外はありません。描いてて楽しかったです。たまに限られたページ数以内でちゃんと終わらせる読切りを描くことはいいリハビリになっていると思います。

Q ご自身が楽しんでらっしゃるんですね! ところで、登場する動物たちの性格や行動がとてもリアルですが、個々のキャラクターにはモデルがいるのでしょうか?
清水先生:いません。でも、小さい頃、ちょっと空想癖があって、実際にはとうてい飼うことの出来ない、ライオンやヒョウをペットとして飼えたらいいなと思っていたので…。あ、映画『野生のエルザ』6が基本にあったのかも。

Q ライオンやヒョウですか、まさに“WILD”ですね!

お気に入りの作品は?

Q 数ある短編にも非常にファンの多い清水先生ですが、カラーの異なる作品を描き分ける着想は、どのように生み出されるのでしょうか?
清水先生:映画や本やTV、他の人のまんがを読んでて触発されて発想がふくらむことが多いです。

Q いろいろなところに発想のアンテナを張ってらっしゃるんですね。では、ご自身のお気に入りの作品を教えてください。
清水先生:ジャック&エレナシリーズ、『月の子』『秘密』『WILD CATS』が気に入ってますね。

Q 『月の子』は文庫にもなっている名作ですね。それから『WILD CATS』のコミックスに収録されている『秘密』は、“視線”にこだわった今までにないお話ですよね。ジャック&エレナシリーズといえば、『竜の眠る星』の文庫が3月に発売されましたが、連載当時の思い出や、エピソードなどをお聞かせください。
清水先生:はじめての連載だったので…いろいろとつらかったです。担当氏ともケンカしたし…。こわ〜いファンレターももらったし…(笑)。

Q なんだか複雑な思い出って感じですかねぇ(笑)。

プライベートをちょっと教えて!

Qお休みはどのように過ごされていますか? 以前はスキューバダイビングをなさっているとのことでしたが…。
清水先生:パーフェクTVで映画みたり、小説よんだり。たまにプールにいったり、また、ダイビングにも行きます。今度、沖縄にもいきます。

Q 沖縄でダイビングですか。キレイでしょうね。では、最近ハマっているものの中でオススメの本や映画を教えてください。
清水先生:人にススメられて、京極夏彦7を読んでます。『嗤う伊右衛門』『魍魎の匣』はとてもおもしろかったです。『遠い空の向こうに』8という映画もとてもよかったです。

Q さっそくチェックしてみますよ! ところで、先生の作品には、月や天体などが多く出てきますが、興味を持たれたきっかけはどのようなことですか?
清水先生:昔から好きでしたが…。カール・セーガン9の『コスモス』とかのTVシリーズを見てから特に好きになりました。

Q では近い将来、宇宙旅行ができるとしたらどこに行きたいですか?
清水先生:とりあえず、銀河系の中心に行ってみたいです。

Q 宇宙旅行も夢ではない時代ですから、実現するかもしれませんね。それでは最後になりましたが、読者の皆さんへのメッセージをお願いします。
清水先生:いつも読んでくださってありがとうございます。出来、不出来はありますが、今まで手を抜いた作品はひとつもないということだけは自負してます。これからも一生懸命描きますよ!

119世紀半ばに活躍したフランス新古典主義の画家
219世紀後半から20世紀にかけての画家。アール・ヌーボー時代"ミュシャ様式"を確立
3"アメリカン・イラストレーションの黄金時代(19世紀後半から20世紀初め)"に活躍したイラストレーター
420世紀のアメリカを代表するイラストレーター
5東横学園女子短大教授。遺伝子治療などを研究している
61975年公開作品。アカデミー音楽賞受賞作
7小説家。『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、『嗤う伊右衛門』では泉鏡花文学賞を受賞
8宇宙への夢を叶えたNASAのエンジニア、ホーマー・ヒッカム・ジュニアの自伝『ロケット・ボーイズ』を映画化。1999年度作品
9天文学者。映画『コンタクト』の原作者でもある。昨年62歳で死去