審査員の先生方からの総評は、投稿して下さった方、これから投稿しようとしている方にも役立つヒントがいっぱいです。これを糧に、より読者を楽しませる漫画を描いて下さい!
河惣益巳
今回は、皆さん、表情や動き、ラストの盛り上げは非常に上手ですが、画面作りが追いついていない印象を受けました。男女の描き分けや描線の強弱等を、もっと気を配っていくと、より見やすくなると思います。そんな中、「ことだまころころ」は主人公が可愛く、クライマックスも印象的で、勢いあって一気に楽しく読めました。
なかじ有紀
今回、上位入賞作品には将来性、可能性をそれぞれに感じました。アテナとあって、みなさん全体的に画力が高く、話もよく練られた印象です。個々の魅力を、より強く表現できた方が受賞されたと思います。「ことだま〜」は、発想と演出力で圧巻! 最後まで気を抜かないテンションが見事でした。「トラの〜」は心情描写に感動です。

仲村佳樹
今回、特に印象に残ったのは、どの作品も無駄にページを使うことなく、短い中に内容が凝縮されていたことです。中でも「ことだまころころ」は、24Pにこれだけの魅力を詰め込めたことは、素晴らしいの一言。どれだけの面白さ、感動をページに込められるか。その努力が読み応えのある作品を生むと再確認させてもらいました。
成田美名子
今回は、私の中ではそんなに差がないように感じました。そんな中、「ことだまころころ」は絵もお話も良く、完成度が高くて一番印象に残りました。全体を通して感じたのは、若干、近視眼的で世界の狭い作品が多かったこと。外には知らないことが沢山あるので、それに触れるのも、漫画作りにはとても大切なことだと思います。

日高万里
大賞受賞作品は少女漫画らしい可愛らしさだけでなく、読者の期待感を上手に盛り上げる演出が光っていました。上位入賞作品は、どの作品も『気持ち』が丁寧に描かれていたと思います。残念だったのは、全体的に画面処理があまい人が多かったこと。読みやすさも重要なので、細かい部分まで配慮した作品作りを心掛けてください。
樋野まつり
今回、初めてアテナ大賞の審査をさせて頂きましたが、各作品バラエティに富み、楽しく読ませて頂きました。「オトギ草子」はエピソードが無駄なく積み重ねられ、 ラストの涙を流す所など良くまとまった物語でした。また、「いざ尋常に〜」も、コミカルな流れの中でほんのりジンとさせられ、読後感も良く、記憶に残る内容でした。

山田南平
今回のアテナ大賞は、どの作品もそれぞれに光る魅力があって楽しく読めました。特に、「ことだまころころ」は女の子のキャラがとても魅力的でした。設定的にも絵的な小道具としても「言玉」の存在がとても効果的でした。また、「トラの空模様」もミニ動物園のある高校、という設定がほのぼのして温かみがあって良かったです。
 
★五十音順・敬称略 

受賞作は、各誌にて順次掲載の予定です。また今回は、真辺くろさん「サカサマおとぎ物語」、夢木みつるさん「生徒会長の秘密」、早純さん「きみに焦がれる蝶のうた」、千成子さん「僕はフツーの男の子」が最終選考に残りました。是非、またチャレンジして下さい。なお、次回の白泉社アテナ新人大賞の応募要項は、2010年5〜6月発売の各誌で発表の予定です。

編集部より
今回久々に大賞が輩出され、大変嬉しく思います。大賞を受賞された師走さんは、24pという短めのページ数に対する構成力と演出力の高さが評価されての受賞となりましたが、HMC受賞作ではキャラの良さ、BC賞受賞作ではスケール感、と作品ごとに色々な魅力をみせて下さり、懐の深さを感じます。また優秀新人賞の雨木さんは繊細な描線と確かな画力が魅力。次回作では元気なキャラを見てみたいです。新人賞や佳作を受賞された4名の方々も武器となる長所をお持ちでした。是非そこを伸ばしていきましょう。

花とゆめ編集部・高田英之
4年ぶりの新人大賞が出ました! 師走さんの作品はアイデア・ストーリー構成・キャラの心情表現いずれも無駄がなく、よみきり作品としての高い完成度を評価しました。今後いかに魅力あるキャラクターを作り上げていくかが課題かと思います。他の受賞作品も、それぞれ作者の持っている魅力、特にキャラクターの味みたいなものが伝わってきて、今後ブレイクしそう♥と期待しています。大賞との差は、お話が少し雑だったり、キャラの心情表現が拙かったりのマイナス点。差はちょっとだったと思います。

別冊花とゆめ編集部・八巻健史

今回のアテナは大豊作!! 新人大賞を受賞した師走さんをはじめ、優秀新人賞の雨木さん、新人賞の笹月さん・聖夜さんと粒ぞろい。佳作のお二人と最終選考に残った4名も非常に高レベルでした。この上位作品に共通していたのが自分の長所をアピールする力。画力がウリの人は魅力的なキャラや構図が描けていましたし、アイデア・構成力勝負の人も感動につながるストーリーを読ませてくれました。投稿者の皆さんの全体的なレベルアップが感じられ、心強く思っています。次回も力作をお待ちしています!

LaLa編集部・市川育秀
今回はそれぞれの作品に魅力があり、楽しい審査でした。その中で、新人大賞に選ばれた「ことだまころころ」は24pというページ数に驚き。「言玉」という突飛なアイディアを、心情描写の丁寧さで楽しく読ませてくれました。タイトルも上手い。優秀新人賞の雨木さんは画力の確かさとほのぼのとした持ち味が魅力でした。他4作も見せ場の作り方が上手で、ここを見せたいという思いが伝わってきます。デビュー後も、読者に伝えたいという強い思いを大事に、長所を伸ばしていってほしいです。今後を楽しみにしています。

メロディ編集部・白岡真紀