リトルガール リトルスター
榎木りか(岩手県)
 「大きくなったら恋がしたいな」。そんな花原あずは、身長143cmのチビが悩みの高1。いつも小動物扱いでまともに女の子扱いされないあずの前に「俺、王子目指してるんで!!」という直が。聞いてみると、虚弱体質でカノジョに振られるわショックでインフルエンザになるわ…の過程で、「強い人=王子」になりたい!と思うようになったという。その直に、妙に共感を覚えてしまったあずは、二人で「大きくなる」「強くなる」という目標に向かって、頑張ることを誓う。なのに、直に会う度になぜかどきどきしてしまい…!?
 まず、くるくると変わるあずの表情が魅力的。直との会話の掛け合いもテンポよく、画面にあふれる元気の良さで、ぐんぐんと読者を引っ張る力があります。絵柄にやや子供っぽさを感じますが、しっかりと描き込んであるので画面にとても華があります。直が眼鏡をはずすとカッコいい、等のエピソードも定番ではあるけど、思い切ったアップとあずのリアクションで楽しく読ませました。「あずを見守る会」などギャグテイストが多すぎる部分もあるので、その分二人のエピソードにページを割いてほしかったです。ラストも少しあっさりしているので、セリフ等でもうひと押し印象的に。とにかく今回最終に残った中で、読者に読んで欲しい、見て欲しいという気持ちが一番感じられた作品でした。今後も期待です。



ロード 麻野大(北海道)
 極々フツーの女子高生・七美の悩みは、内気で上がり症なこと。緊張してなかなか人とうまく話せない。そんな七美のクラスのムードメーカーは男女ともに人気の樹登。放課後ダッシュで帰る彼が気になって後をつけた七美が見たのは、マウンテンバイクで華麗にジャンプする彼の姿だった! 勢いで、週末に一緒に練習することになった七美は初バイクで宙返り! 当然コケてしまったけど、初めての挑戦に目の前がパーっと開けたような気持ちに… 少しずつ変わっていく七美。でも、樹登留学のニュースが!!
 荒削りですが、瑞々しい魅力にあふれた作品です。思い切ったコマ割りや、画面のメリハリなどにセンスがあり、「このテーマをこういうシーンで伝えたい」という作者の意気込みを感じます。ストレートで前向きな展開が、爽やかな読後感に繋がっています。七美と樹登の恋の進展もとても初々しい感じで良いですね。イントロとタイトルの付け方にはもうひと工夫ほしいところ。デッサンの不安定さや、基本的な原稿の使い方など、いくつか目につく改善点はありますが、どんどん描いていくことでクリアしてほしいです。また規定のページ数に納めるのもプロに大事なことです。素直な作風は麻野さんの強み。今後は、「いかに読者を楽しませるか」にもう少し気を配ってみて下さい。非常に、可能性や将来性を感じさせる才能の持ち主だと思います。今後も伸びやかな作品を期待しています。